2009年1月29日木曜日

ジュリアード スクールについて

今回のジャパンツアーに参加するダンサー4人はジュリアードスクールのダンス科の学生です。

ジュリアード スクール(The Juilliard School) はマンハッタンのアッパーイーストに位置する、アメリカでも屈指の有名な芸術学校です。
日本ではなぜかジュリアード音楽院という名前で知られていますが、ジュリアードは音楽だけではなく、ダンス、演劇など他のパフォーミングアートでも超一流の学校なのですね。かくいう僕もアメリカに来るまではジュリアードなんて聞いたこともなく、最初のうちはクッキーの上にチョコをのせたようなお菓子か何かだと思っていたのですが、すぐにアメリカのアーティストなら知らない人はいないような芸術学校だと知りました。

最近では『August Rush(邦題:奇跡のシンフォニー)』という映画でジュリアードが舞台になっており、それ以外にも何度も映画に登場してきたようです。芸術作品の評価において学歴は関係ありませんが、ものすごい倍率の入学試験を突破したジュリアードの学生だということで人よりも注目されることは事実です。またジュリアードの厳しいカリキュラムをこなしてきた学生のレベルは当然高く、在学中からアーティストとして活躍する者も少なくありません。

またジュリアードでは授業以外にも地域貢献のボランティア活動などが一定課されます。またジュリアードに限らずマンハッタンでは、自身の芸術活動と地域や教育などをむすびつけようとしているアーティストを多く見ます。日本でも平田オリザさんが地方でのワークショップなどをしていますが、芸術活動を自分の所属する社会とのつながりから捉えようとする彼らの姿勢には多くを学ばされます。

今回のジャパンツアーも、ただ単なるアーティスト同士の交流ではなく日本の地域とNYのアーティストとの交流にまで深められるように頑張りたいと思います!!

メンバー紹介 : ブランドン エプティング









ブランドン エプティング(Brandon Epting)
ブランドン エプティングはノースキャロライナ芸術学校のサクソフォン奏の学士号を持っている。かれは在学中には同学校のビジュアルアーツ、演劇、ダンスの学生とのコラボレーションなど数多くのパフォーマンスをした。振付家Gudbjorg Arnaldsとのコラボレーションも経験しており、ニューヨーク市のJoyce SoHoシアター、リンカーンセンターのthe Clark Studio、そしてDancenow|NYCのためのRAWダンスフェスティバルでもパフォーマンスをしている。
ブランドンは現在、室内楽、そしてソロ奏者としての彼のアビリティを洗練しさらに広げることに取り組んでいる。彼の友人であるサクソフォン奏者のトラビス カルヴァートと共に、ブランドンは他のアーティストたち、そして他の媒体とのコラボレーションによる独特のパフォーマンスを探求している。それによってただ単純に見るだけだけではなく体験することを求める新しく異なった観客とつながることを期待している。
教育者として、ブランドンは彼の教師であるJames Kalyn, Taimur Sullivan, そして Stephen Pollockの意志を継いでいる。子どもたちとのワークショップでは、彼は芸術的な表現によって子どもたちが音楽のより深い意義を見つけることができ、そして彼ら自身の伝統や文学、資産、体験や才能とのつながりをつくることができるような環境づくりを心がけている。
ブランドンは最近ではニューヨークを基盤にした芸術学習とイノベーションのための非営利組織であるEmcArtsに参加した。

メンバー紹介:近藤 司













近藤 司(Tsukasa Kondo)

NY在住。The Actor's Project NYC 14期メンバー。
国際交流団体LABOに3歳から17歳まで在籍し、幼少時から英語と日本語による演劇に親しむ。京都大学在学中に東京にて役者活動を開始する。青柳宇井郎/浅野奉久監督による映画『Re』に主演。映画の他、舞台演劇からコンテンポラリダンスまで活動の幅を広げる。大学卒業後2008年秋にNYに移住。渡米3ヶ月で朗読会やクリスマスショーなどのステージの他、川出真理監督による映画『The Park』に主演。またBobby Holder主催の劇団The Actor's Project NYCのオーディションに合格、14期メンバーとして入団する。自身の演劇活動の他、日本の若手芸術家を支援するNPO「AA Project」にも参加しており、日本のアーティストたちの環境の改善に取り組んでいる。ジャパンツアーには日本側との交渉役/コーディネーターとして参加。


ゲップが、できません。

メンバー紹介:トラビス カルヴァート













トラビス•カルヴァート(Travis Calvert)

トラビス カルヴァートの音楽は幅広いジャンルにわたる。室内楽からヒップホップにわたるまであらゆる種類のセッティングでパフォーマンスをしてきた。2002年にはノースキャロライナ芸術学校の高等部にクラシック•サクソフォンを学ぶために入学し、続いて同学校の大学を卒業する。在学時には南東部にかけていくつかのコマーシャル•バンドとツアー、コンサートをしてまわる。彼はまた彼のジャズ/ファンクバンドである"Audioform”でアメリカ中をツアーしている。現在NYブルックリンに住んでおり、リンカーンセンター•インスティテュートのフェロー(fellow)である。最近ではモダンダンサーたちとのコラボレーション、電子音楽の作曲などを探求する多くの新しいプロジェクトに取り組んでいる。
とってもノリの良い、かつ色んなことを知っていて、そしてもちろん優れたサクソフォンプレーヤーである渋い奴です。

2009年1月10日土曜日

メンバー紹介:キャサリン ・ウェルス









キャサリン ウェルス(Kathryn Wells)

ジュリアードスクールのダンス科3年生。彼女は学外プログラムにも参加し、地域に貢献している。キャサリンはジュリアードの学外教育プログラムに毎週通ってくる子どもたち向けのレッスンの計画を立て、教える助けをしている。また病院やシニアセンターといった公的な場所におけるパフォーマンスをするための異なる分野の学生のコラボレーションにも参加している。ジュリアード入学前、ケイティーはBrigham Young University Children's and Teens' Creative Dance programで14年間学び、そして同様のプログラムにおいて4年間アシスタント・ティーチャーとして働いた。彼女はまたUtahにあるthe Academy of Balletでもバレエを学び、教えた。幼い時期から振り付けに取り組み始めたケイティは、BYUにおいて毎年作品を発表してきた。
そして彼女の振り付けは高校のPTA参加プログラムにおいて表彰される。ダンスのための新しい音楽を創作することにも取り組んでいる。2007年夏にはThe Jackson Hole Playhouseにおいてミュージカルに参加している。彼女は多彩なパフォーマーであると同時に、教育とコラボレーションの経験に富んだアーティストである。

ニックネームはケイティです。

メンバー紹介:ネイサン・マデン








ネイサン マデン(Nathan Madden)

ネイサンもフィリピンツアー2008に参加しました。

ネイサン マデンは9歳の時にダンスを始める。アメリカ国内の様々な学校、夏期集中プログラムに参加。現在ジュリアードスクールの4年生でありこの5月に卒業しファインアートの学位を取得する予定である。フィリピンツアー2008、ジュリアードスクールのGluckコミュニティ奉仕フェローシップ、そしてハリケーン・カトリーナの被害にあったニューオーリンズでの二年間のプロジェクトは彼の学外での活動のいくつかである。
コミュニティでの奉仕活動に加えて、彼はRoyal Winnipeg BalletでArnold Spohrに、Charleston South CarolinaでRobert Iveyに学び、The Atlanta Ballet SchoolとThe Houston Ballet Academiesでも学んだ。Joffery, Boston, American Ballet theater(NYC)とBallet Magnificatの集中プログラムにも参加した。2003年のGrand Prix 大会ではバレエでの最終選考者に残り、またARTS-2004の一部門でも決勝まで進出している。
様々なトレーニング経歴に加えて、彼は多くのミュージカルにプロとして出演し、シアター俳優の組合であるAEAのメンバーである。また地方でのパフォーマンスでは、Anything Goes, A Chorus Line(監督:Baayork Lee)、HoustonのTheatre under the starsと、St.LouisのMunicipal theatreにおける3シーズンにわたるFootloose(Ren)が挙げられる。
「家族の暖かいサポートと、神様が授けてくれた技能、そしてすべてのステップに対する愛に溢れる導きに感謝します。」

メンバー紹介:アンソニー・ロマルジョ










アンソニー ロマルジョ(Anthony Lomuljo)
アンソニーもフィリピンツアー2008に参加しました。


アンソニー ロマルジョは姉の影響を受け5歳の時にDance Attack in Mountain Viewでダンスを始めた。彼はTeen Dance Companyのオリジナルメンバーの一人であり、Gapやドクター・ペッパーそしてKマートなどの数々のコマーシャルでも踊った経験を持つ。またフィオナ アップル(Fiona Apple)のミュージッ
ク・ビデオ、そしてロケッツのクリスマス(The Radio City's Christmas Spectacular starring The Rockettes)でも踊った。彼はニューヨークダンス連盟と西海岸ダンス・エクスプロージョンの両方から優秀ティーン(10代)ダンサーに選ばれ、そして2005年のアンダー ザ スター コレオグラファーフェスティバルにおいて、彼の振り付けは二位を獲得した。
現在20歳であるアンソニーはジュリアードスクールの三年生であり、また子どもにアート教育を与えるC.L.I.M.Bプログラムのメンバーでもある。彼はまたマスターワークプロジェクト、P.E.P.S.といった小規模のプロジェクトにも参加した。マスターワークプロジェクトは2007年冬のジュリアードスクールのマスターワーク・コンサートを楽しんでもらうために4つの小学校をまわってアート教育をするというものであり、P.E.P.S.はニューヨーク市におけるダンスの活発化を目的とするジュリアードの団体である。



ロケッツのクリスマスというのはNYに来たことのある人なら一度はポスターを観たことがあるあれですね。

メンバー紹介:チェルシー・アインスワース

ジャパンツアー2009のメンバーを紹介したいと思います。










チェルシー・アインスワース(Chelsea Ainsworth)

フィリピンツアー2008にも参加したチェルシーは今回のジャパンツアー2009のプロジェクトリーダーです。

チェルシー アインスワース。ノースキャロライナ州出身。ジュリアードスクールの3年生。8歳の時Pierette Sadler Dancersでダンスを始め、そこで彼女はジャズ、バレエ、タップ、モダンダンスを学ぶ。多くの大会に出場した後彼女はノースキャロライナ芸術高等学校にバレエ専攻で入学する。彼女はヤングアメリカグランプリ(2003−2004、2005年)に参加し、コンテンポラリー部門で一位を飾っている。また多くのプロジェクトに意欲的に参加しており、ムーブメントのレッスンを教える他にも、ATEP、CLIMB、TOCといった数々のプロジェクトと関わっている。彼女はこれまで、フロリダ、ニューオーリンズ、ブロンクスヴァイル、ノースキャロライナ、リカーズアイランド、フィリピンを含む多くの場所で短期集中体験プロジェクトを成功させてきた。これらの経験を活かし、アート教育が充実しているとは言えない場所におけるアートの種を育てることに取り組んでいる。

彼女は非常に多くの場所で、「無料でダンスを教え、そして参加者は最終的に観客を前にパフォーマンスをする」というプログラムを行ってきました。また才能あるダンサーでもあります。去年末のジュリアードスクールにおける新作発表会では数分間にわたるソロ・パートを見事に踊り切り観客の盛大な拍手を受けていました。
とてもエネルギーに溢れた、頼れるリーダーです。

The Japan Tour 2009のお知らせ

2008年夏。NYの名門芸術大学、ジュリアード・スクールから6人のダンサーたちがフィリピンを訪れました。彼らは小学校、ホール、カフェなど様々な場所を使いフィリピン各地でパフォーマンスを披露し、現地の人々にダンスを教えました。裸足で学校に通う子どもたちは、初めて触れたダンスに目を輝かせて熱中しました。最後には子どもたちが彼らから学んだ技術を使ってダンス・パフォーマンスをし、4週間の短くも濃い彼らのフィリピン・ツアーは大成功に終わりました。

そして2009年夏。今度はNYから4人のダンサーと2人のミュージシャンが、日本は関西にやってきます。可能な限り多くの場所でパフォーマンスをし、そしてダンスを教え、また彼らも学び、そして日本のアーティストたちと交流をするために。
今、プロジェクト「ジャパンツアー2009」は始動しました。私たちは出来る限り多くの人々と交流をしたいと思っています。

日本の皆さんにこのプロジェクトについて興味を持ってもらえるように、日本語でのブログを立ち上げました。ここではこのプロジェクトに関すること、そして彼らが活動の拠点としているアメリカ、NYについて、様々なことをお知らせしていきたいと思います。

メール、コメント、大歓迎です。
質問などありましたらinfo@tsukasakondo.comまで遠慮せずお伝えください。

2009年1月9日
The emerging artists in collaboration 2009 team
近藤 司